So-net無料ブログ作成
Books 作家別_か行 ブログトップ
前の10件 | -

『マザー・グースと三匹の子豚たち』 by 桐島洋子 [Books 作家別_か行]


マザー・グースと三匹の子豚たち

マザー・グースと三匹の子豚たち

  • 作者: 桐島 洋子
  • 出版社/メーカー: グラフ社
  • 発売日: 2006/05
  • メディア: 単行本



久々の更新♪そして久々の感想文です。

桐島洋子さん。日本が誇る優れた文学者。
そして桐島カレンさんのお母様。
今回ご紹介するのは自称猛母・洋子さんがカレンさんを頭に3人のお子さんを連れて
アメリカに1年間滞在した時期について描かれたエッセイです。

TVやら漫画、受験戦争etc。
日本の教育や子供を取り巻く環境に疑問を持った洋子さんはアメリカの田舎町に
生活を移すことを決めます。
豊な自然と洋子さん独自の個性と自立を促す教育を体験することで
子供達は英語を学び、百人一首を覚え、人間としてたくましく育っていきます。

読んでいて非常に清々しい気持ちになる1冊でした。
猛母は子供達を無意味に甘やかしたりしない。
話し言葉も大人に接するかのごとし。
そして溢れ出る言葉の数々は経験と人生観に裏づけされている。
まさにMature(成熟された)美だとMinMinは思いました。

出発前に3人の子供達に「荷物は1人20kgまで。出発の日に空港で
会いましょう」と個を個として接する一方、
サマーキャンプの仲間と別れる事が辛くて涙に暮れる娘を
愛に満ちた視線で包み込む母の姿。
これを猛母というのなら、世の母親が皆猛母になってくれればと思わずにはいられません。

かなり前の本なので若干の時代的なズレは否めませんが、それを上回る魅力が
この本には詰まっています。
ご興味のあるかたは、是非是非読んでみてください。
nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』 by 北尾トロ [Books 作家別_か行]

裁判の傍聴って時間があったら一度やってみたいと思っています。
どんな風に犯罪が裁かれるのか?
ジャッジは本当に公正なのか?
とても興味深いって以前から思っていました。

で、今回手にしたのはこちらの本です。

裁判長!ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)

裁判長!ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)

  • 作者: 北尾 トロ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 文庫

うぅぅん。
切り口は非常に面白い。様々な犯罪があり、いろいろな公判があることも分かる。
裁判官や検事・弁護士、そして被告も人間である事が実感として
感じられる1冊である事は間違いない。
遠い世界だと思っている裁判というプロセスが、実はそんなに別世界のものじゃないって
事も良く分かる。
ただ・・・・非常に不謹慎な内容に感じられるのはMinMinが堅物だからかな?

痴漢裁判の回では
 「自分も痴漢をしようとして電車に乗った事があるから被告の気持ちが分かる」と書かれていたり、
誘拐強姦事件の裁判では
 「こっちはレイプの詳細を聞きに来ているのに、誘拐話がメインで・・・」なんて書かれている。

著者が言うように、一般人ももっと裁判に興味を持つべきだとMinMinも思います。
ただ、著者が言う「興味」は「興味本位」以外の何物でもないと感じられました。
やれ「顔が再犯しそうだ」だの、「もっと(ドラマチックに)魅せて欲しい」的な発言って
やっぱり不謹慎じゃないかな?
犯罪が起こるということは、そこにどんな形であれ被害者が居る。
どれもこれも決して笑える話ではないとMinMinは思うのです。

エンターテイメントとして人情やら笑いを盛り込むなら小説etc他にいくらでも手段は
あるんじゃないかな?
あくまでも傍聴記録として描くなら、やはり著者の書き方は好ましくないと思います。

著者は「被害者の気持ちを考えた事もない」と言い放ったある事件の被告の態度に
シラケたと書いていますが、
著者にこそ「面白おかしく書かれた人達の気持ちを考えた事ありますか?」と聞いてみたい。
あーあ。もっとちゃんと描いたらとても面白い本になったと思うのにな・・・。
残念です。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

『I’m sorry, mama』 by 桐野夏生 [Books 作家別_か行]

I’m sorry,mama.

I’m sorry,mama.

  • 作者: 桐野 夏生
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2004/11
  • メディア: 単行本

主人公・アイ子の生き様に触れて秋田連続児童殺害事件を思い出してしまいました。
Minが畠山容疑者に対して持っている印象ととてもかぶる。
罪悪感を持たずに、その時の自分の都合で人を殺したり、物を取ったりするイメージ。
何か根本的な物の欠落を感じてしまう・・・・。

児童福祉施設の保育士だった美佐江が、自宅で年下の夫と共に焼死します。
犯人はアイ子。
彼女はそれ以前にも気に入らない女性を焼き殺し、少しの金銭を盗むためだけに
老婆を溺死させ、逃亡を繰り返してきた経歴を持っています。
ロングスパンで人生を設計しないアイ子。
希望を持たず、動物的で単純な感情しか持たない女。
その生活振りは「その日暮らし」で欲にまみれています。
その時々で上手く追っ手を振り切って生きる彼女は、しかし、絶対的に逃れられない
出生の秘密に手繰り寄せられているのでした。

読書を通してこの世の中で一番怖いものって何だろうと考えました。
まず思いついたのは「無関心・愛情が感じられない状態」。
親や友達、恋人や同僚。
自分に関わる人から愛情や関心が全く受けられなかったら、どんなに悲しいかと思います。
それなら世の中に自分しか居ない方がよっぽど良いな。
愛情を受けている身近な人と、自分の憐れな状態を比べなくて済むから。

次に怖いと思ったのが「悪を認識できない心」だと思いました。
例えば・・・・殺人と言う行為。
これを「悪い事だ」と知りながら殺人行為に走ってしまった人は、まだ更生の余地がある気がする。
逆に何の疑問も持たずに殺人を犯す人って、とても怖い。
罰せられる理由も何にも分からない。
悪い事を睡眠や食欲のレベルでこなしてしまう・・・・・なんだか救いが無い気がします。

この両方を兼ねそろえた存在がアイ子です。
生い立ちが劣悪でも、人生のそれ以外の生活で出会いや読書、その他もろもろからの
影響で社会性を身につけられると思うのはMinだけかしら?
しかし、アイ子はそんな影響を振り切るように、感情に蓋をして愛を拒絶して進んでいきます。
なんだか読んでいてとても切なかったし、もし前述した畠山容疑者がこれに近い生き方を
して来たのだとしたらと考えて、胸が詰まる気持ちでした。

小説としても大変面白くて、後味の悪さを含めて良い作品だと思います。
読む事を止められなかったし、本当に夢中で駆け抜けるように読んでしまいました。
ご興味のある方は是非読んでみてくださいね。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

『柔らかな頬』 by 桐野夏生 [Books 作家別_か行]

柔らかな頬

柔らかな頬

  • 作者: 桐野 夏生
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1999/04
  • メディア: 単行本

正直、読み出した時はあまり夢中になれなくて「読むの止めようかなぁ」なんて思いました。
しか~し・・・・・ストーリーが進むにつれてドキドキ♪
止まらなくなってしまって、結局2日で読んでしまいました。

夫の取引先の男と不倫の関係にある主人公・カスミ。
不倫相手が所有する北海道の別荘地に赴いたカスミは、事もあろうにそこでも関係を持つ。
そんな中『子供を捨てても良い』と刹那的に思った彼女の前から、娘が忽然と姿を消してしまいます。
誘拐か?事故か?それとも神隠し・・・・・?
時を経ても事実を事実として受け入れられないカスミは一人娘を探し続けます。
現地の警察を不治の病で退職した元刑事の協力を得て、カスミが見つけ出すものは・・・・・。

カスミの人生は「逃げ」の一手を塗り重ねた人生に思えて仕方ありませんでした。
郷里を捨て、めまぐるしくも単調な生活から目をそらしてきた生活。
不倫も、娘の捜索もそれぞれ「逃げ」のための手段の一部とMinには感じられました。
そういう所は全く共感できないし、好きになれないなぁ。
ただ、人には心の底から「逃げ出してしまいたい!」って思う瞬間があるのも
確かだって事に変に納得してしまいました。
Minだってそんな日はある。
仕事をしている人も、フリーターも、学生も、主婦も、そんな瞬間を経験したことが
あるはずです。
そう考えてみると、カスミは自分に正直な女性なのかも知れないと思えてきます。
ただし、その正直さは凶器となって周囲の人々を傷つけ続けてしまうのだけど・・・・。

主人公に共感できるか出来ないか。
それによって感想も人それぞれ違ってくる一冊だと思います。
Minは正直共感できなかった。カスミ程、正直に情熱的に生きることは出来ないです。
逆に皆さんがこの本を読んでカスミの事をどんな風に感じるのか・・・・とっても興味があります。
ミステリーとしてはとてもドキドキする面白い作品だったので、是非読んでみてくださいね。
そして、感想を聞かせて貰えたらとっても嬉しいです☆


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

『グロテスク』 by 桐野 夏生 [Books 作家別_か行]

グロテスク〈上〉

グロテスク〈上〉

  • 作者: 桐野 夏生
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/09
  • メディア: 文庫


グロテスク〈下〉

グロテスク〈下〉

  • 作者: 桐野 夏生
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/09
  • メディア: 文庫

Minは女子校出身なので、この本で描かれている世界観はとっても良く分かります。
中学校・高校と6年間都内の女子校で過ごした年月は、楽しかった反面「???」の連続。
15歳の少女がヴィトンのお財布を持っていたりなんて事は当たり前だったし・・・・。
(Minは親の方針と自分の意思でそんなの持ってなかったけど。)
本にあるような露骨な意地悪なんかはなかったけれど、独特の空気は一緒だと思いました。

主人公には圧倒的で悪魔的な美貌も持ち主・ユリコという妹がいます。
ユリコの存在のせいで自分がいつでも地味で霞んだ存在に貶められているという被害意識を
拭い去る事が出来ず、主人公はユリコを心底憎み、嫌い、遠ざけようとします。
努力を重ねて主人公が入学した名門女子校。
時を同じくして両親とユリコはスイスに移住する事になります。
やっと訪れた比較される事のない、自由な生活。
希望を持って入学した女子校は、しかし、完全なる階級社会から成り立っているのでした。
その中でトップを走り続けるミツルという同級生。
泥臭く意固地に努力を続ける姿が奇異な印象を与えてしまい、イジメられる同級生・和恵。
そんな中、ユリコが帰国をし、同女子校に編入してくる。

これ以上書いてしまうとミステリー的な要素をバラしてしまう恐れがあるので、
出だしの部分だけご紹介♪
主人公を含め、4人の女達は学校に存在する目に見えない格差の中で
地獄のような苦しみを味わいながらも自分の居場所を探し求め、世界を作り上げようとします。
しかし、その誰もが行き着く先には必ずその場所なりの階級社会が存在している。
それは校内で経験していた馬鹿馬鹿しくも分かり易い物とは違い、少しずつだけれども
彼女達の向上心や努力する形を歪んだ方向へ導いて行きます。
失われていく自分自身。
正確に見えなくなる自分と世間の境界線。
如実に描かれるその経過と、あえて書き込まれていない彼女達の心の底が
読んでいてとても苦しい。でも読まずには居られない・・・・・そんな作品です。

Minも(ここまでではないけれど)、中学校入学当時は心が辛かった。
幼稚舎や小学校からの「生え抜き」の生徒たちは、中学校の入学初日からすでに
仲良しグループに属している。
そのどこに入れてもらえるか、なんとなく値踏みをされているような視線を感じて
とても当時は不快な思いをしました。
また、しばらくして仲良しグループに入っても、彼らは新座者を様々な方法で試してくる。
部活に入ってもそれ以前の人間関係で先輩だけではなく、先生までもが
「生え抜き」の生徒をヒイキするという現実。

Minは強い子だから、彼らの価値観をブチ壊し、「そちらがその気なら」という態度で
最終的には成績と世渡りスキル&パワーで彼らをねじ伏せました。
入学から数年経つ頃にはどこへ顔を出しても「MinMin~♪」って「生え抜き達」が寄って来る。
今から思えばMinも随分強情だったし、屈折していたなぁって思うこともあります。
要するにこの本で言ったらミツル型強硬派みたいな感じ。
だけど、決定的に違うのは(って小説だから当たり前なんだけど・・・)親子の関係だと
読んでいてMinは思いました。

Minの実家は本当に礼儀とかには厳しい家庭だったけれど、愛情たっぷりに育てられました。
なんでも相談出来たし、
 ・地位や学歴や持ち物で世の中を測る事が『格好悪い事』だと言う事
 ・逆に『階級や学歴社会』はどこへ行っても(残念ながら)無くならない事
を小さい頃から折に触れ教えてもらえる環境でした。
それが世の中的に正しいか間違っているかは個々の考え方の違いだと思いますが
少なくとも生きるための芯は一貫して持つ事が出来た。
だから負けずに受け入れたり、受け流したりしながら自分の道を歩む事が出来たのだと
改めて思いました。

グロテスク。
描かれている社会も彼女達が心に持つ悪意や挫折の結果、どれもがこの言葉に
当てはまると思います。
美しいなら美しいなりの、利口なら利口なりの罠は大きく口を開けて待ち構えている。
その口にバリバリと食べられてしまわないように、グロの上を行く何かを1つ心に持ち続けたい。
そこはかとない恐怖を感じながらもそんな風に思う1冊でした。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

『食卓は笑う』 by 開高健 [Books 作家別_か行]

食卓は笑う

食卓は笑う

  • 作者: 開高 健
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1986/08
  • メディア: 文庫

Minがこれから留学etcで海外に行く人に、「出発前に齧っておくと得だよ」ってお勧めしたいのが
※楽器
※何らかのスポーツ(柔道がかなりお勧め!)
※ジョークのネタ                        の3つです。

楽器はギターなんかでビートルズやエルビスが弾けると楽しい。
現地の人と一緒に歌ったり出来るし、そういった中から友達が出来たりします。

スポーツもしかり。
チームメイトや仲間と喋る機会が増えるから言語の上達が早くなり、
友達も沢山出来る♪

そしてジョーク。
これは語学がある程度上達した後に活用出来るようになる、一段上級のスキル。
母国語以外で人を笑わせるのってかなり難しいけど、外国人(特に欧米人)は
ジョークを聞く際のマナーを心得ているので、ちょっとくらい噛んでも、すでに知っている
ネタでもちゃーんと笑ってくれます。
度胸がつくし、場も盛り上がる!
シャイな日本人だからこそ、そのギャップで相手の不意を突く事が出来て
思いがけない意外性が喜ばれること請け合い☆

この本は著者の開高健さんがご自身で面白いと思った各国のジョークをまとめた1冊です。
政治色の強いネタからビロウなネタまで収録されていて、その幾つかは
読んでいるだけで、プッと噴出してしまう♪
これを英語でやったら、かなりウケるだろうなぁって想像しただけでもワクワクします。

時と場合、そして披露する相手の人種や立場を考慮した上で披露しないと「アッチャ~」な
事にもなりえますが、それは日本でも海外でも一緒ですよね。
逆に座持ちが良い人はどこへ行っても愛される。
まだまだ外国語でジョークを披露するなんて先の話だと思う方も、話の構成や
内容を押さえておくのにとても役に立つ1冊なので、是非読んでみて貰いたいなぁと思います。
もちろん外国語で披露する予定のない方にも十分楽しめる内容ですよ!
日本語で披露しても十分可笑しいし、自分だけでプププと笑いながら楽しむのもGood!

質の高い大人のためのジョーク、楽しんで見ませんか?


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

『100文字レシピ』 by 川津幸子 [Books 作家別_か行]

100文字レシピ

100文字レシピ

  • 作者: 川津 幸子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/10
  • メディア: 文庫

美味しい料理の作り方をたったの100文字で紹介した1冊。
100文字だからといってあなどる事なかれ!
とっても素敵なレシピが沢山紹介されています。
丼物・アジアン・パスタ・フレンチ・イタリアン・おつまみ・デザート♪
どれもこれも出来上がりの写真と一緒に掲載されているので、とても分かり易い☆
そして実際作ってみると・・・・とっても美味しい!

Minのお家はお客さんの多い家です。
メインはポポタンの大学時代の友達や、会社の同僚、野球仲間etc。
見栄を張る必要は無いけれど、出来るだけ「美味しかった♪」と思って貰いたい。
そんな要望にもしっかりマッチする御洒落な料理も沢山載っています。

本を購入したのは数ヶ月前ですが、もうホトンドのレシピを試してみました。
その中で、特に評判が良かったのが『サーモンの皮なしシッシュ』。
そして『えびのハーブパン粉焼き』。
数回調理をこなしたら、自分風にアレンジするのも楽しいです。
余程大胆なチャレンジをしなければそれなりに美味しい料理に仕上げられるし、
色々やっているウチに「Minポポ・ファミリーの味」に落ち着きます。

難しい料理を難しく説明するのは、ある意味簡単なことだと思います。
逆にシンプルに紹介するのは難しいんじゃないかな?
そういった意味でもこの本はとても有り難い1冊です。
だって兼業主婦は「簡単で美味しい」っていうセリフに弱いもの。
そしてその触れ込み通り、美味しいものが作れるこのレシピ集。
料理のプチバイブルとしてキッチンに鎮座してます♪


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

『一九三四年冬-乱歩』 by 久世光彦 [Books 作家別_か行]

一九三四年冬―乱歩

一九三四年冬―乱歩

  • 作者: 久世 光彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1997/01
  • メディア: 文庫

久し振りに大々々ヒット!物凄く面白いミステリーに出会えました。
有名な本なのかしら?
1冊で2通り楽しめて、本当にお得な気分☆

スランプに陥った江戸川乱歩。
彼が新作に取り組むために赴いた外国人が多く逗留する宿で不思議な事件が起こります。
そんな環境の中で、乱歩は実生活での事件の解決と妖しく謎めいた新作の執筆を進めていく。
そして・・・・・。

簡単に書いてしまえばこんな内容。
でもその組み立て方がとても素晴らしくて、どちらの謎にものめり込んでしまう。
読む手が止められずに、一晩で読んでしまいました。
先が気になって気になって・・・・。

江戸川乱歩の事もとっても良く調べてあって、読んでいてちょっと実際にあった話みたいに
感じてくるのも一興です。
 スランプで書けない乱歩。
 気の弱い部分を持ち、変質的なほど神経質な素顔。
 妙に好奇心が旺盛だけど、意外にも恐がりな一面。
そんな人としての乱歩の魅力も余すことなく書き込まれていて、読んでいて楽しい。

江戸川乱歩の作品を映像化したものを目にした事が何度がありますが、
どれもこれも「変態的」で「おどろおどろしい」部分のみを前面にだしているのに
辟易していました。
作り手が乱歩作品の上っ面しか読み取っていない気がして・・・。
もっと美しく妖しく表現できないものかと。
で、今回この本と出合って、とっても感激しました。
久世光彦さんは、物凄く深いレベルまで乱歩自身の事も、作品も読み込んで理解している。
だから、乱歩の生活を切り取って覗いたみたいな気になれる作品に仕上がっているんだと
とっても関心しました。

個人的にはかなりお勧めの1冊です。
ちょっとタイムスリップ感も味わえる、ノンストップ・ミステリー♪
情景や風合い、そして香りをとても大事に描かれた作品です。
江戸川乱歩にハマッた事のある方には本当にお勧めです。
絶対に満足できると思いますよ!


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

『少年A 矯正2500日全記録』 by 草薙厚子 [Books 作家別_か行]

少年A 矯正2500日全記録

少年A 矯正2500日全記録

  • 作者: 草薙 厚子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/04/06
  • メディア: 単行本

大学で授業を受けていた経験からか、犯罪心理に非常に興味のあるMinMin。
様々な著書でAと匿名で記載される当時14歳の少年についても
彼の心や矯正教育の内容を知りたいと思い、この本を手にしました。
本当ならMinの読書感想を書くところですが、それよりも気になった発言がいくつか
この1冊の中にあったので、今日は稚拙ながら自分なりの意見を書いてみます。

【驚愕した言葉】
1)Aの入院に際して、世間のバッシングについて教官が発した一言。
  「Aと同じくらい残虐な事件を起こしたケースは沢山あるのに、一年で出院できる少年もいる。
  なぜ、Aだけがこんな扱いをうけるのか・・・」
<Minの意見>
 えっ!?Aと同程度の残虐性の高い事件を起こしても、そんなに早く退院出来るんですか?
 Aが受けた(教官が不当と感じている)バッシング云々より、そちらの方が心配です。
 それにしても、何故Aだけが長期に渡り収容・教育されるのでしょうか?
 それは世間がバッシングしたから?注目度が高いから?
 だとしたら、御幣を恐れずに言えば、バッシングも過剰でなければ必要と考えざる得ない
 と思えてきます。
 だってバッシングを受けなかった、Aほど有名じゃない若い残虐な犯人たちは 1年程度で
 出院できてしまうんでしょう?

2)Aの退院に際して、教官が発した一言。
  「少年院としてはAに、水泳で言うと千五百メートルを泳ぎきるだけの体力はつけました。
   ただし水泳でも、いきなり海に飛び込ませたら溺れてしまうから、少し練習させる。
   (Min注釈:社会をプールに例えている。Aにさせた練習とは仮退院の事。)
   (中略)ウォーミングアップさえさせていただければ、(中略)泳ぎきるだけの力は
   身についているはずです。プールに水を張らないとしたら、それは社会の責任です。」
<Minの意見>
   なんか、Aにだけ都合良く感じられる意見な気がするなぁ。
   Minは「水張りをしない」のは社会の責任だとは思えません。
   社会というプールに張られているのは『秩序』という水だと思います。
   その水は決して「澄み渡っている」とは言えないかもしれませんが、少なくとも我々は
   波風がたたないように、我慢したり努力したりしながら生活しています。
   嫌な言い方をしてしまえば、Aはその犯罪によってその水を汚し、波風を立てたワケです。
   それは我々にとってはこの上なく不安で不快な事でした。
   そんな感情を引き起こしたAが戻ってくる。
   矯正の経過などを詳しく知らされていない一般人がそれを不安に感じ、Aにプールに
   入って欲しくないと感じても、それはある種当たり前の感情じゃないかとMinは思います。
   社会はAのペースで廻っているわけではありません。
   Aが『我々の秩序・社会』を守れる事を何らかの形で示して初めて
   「プールに水を入れるか」
   「Aが泳ぐ事を許すか」 を我々が判断するっていうのがスジじゃないかと思うのですが・・・・。
   
【堪えた言葉】
3)Aの出院を知った人(事件当時のAの近所の住民)の言葉。
  「(Aを)暖かい気持ちで迎えてあげようと思うんよ。(中略)でもここには戻らないんやろ。」
<Minの意見>
   これは心に堪えました。
   近居の住民の「戻らない事を前提とした」温かい言葉にも嘘はないと思います。
   だけど、やはり恐怖心や受け入れがたい気持ちが現れている気がしてなりません。
   例えば、Aが出院してくる事を、
    ※更生した事前提に判断し
    ※少年法の理念を理解した上で『社会』として受け入れる。
   それは時間をかける事やさまざまな問題をクリアすれば可能かもしれません。
   でも仮に、Aが自分の家の隣に住むとなったらどうでしょう?
   Minは『個人』として、Aを受け入れられるか・・・・・自信ないです。

長々書きました。
書いていて、色々な解決できない気持ちが改めて自分の中に認められました。
当事者でないMinですら、こんな風に心が乱れるのですから、被害者やその家族の方々の
感情を考えると、とても辛い気持ちになります。

Minが書いている事はあくまでも、現在のMinの意見です。
様々な意見がこの事件やAの処遇に対してあり続けると思います。
だからこそ、やはりAの矯正過程や結果を許される範囲で公にして欲しいと
読書を通して感じました。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

『なめくじ艦隊』 by 古今亭志ん生 [Books 作家別_か行]

なめくじ艦隊―志ん生半生記

なめくじ艦隊―志ん生半生記

  • 作者: 古今亭 志ん生
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1991/12
  • メディア: 文庫

いやはや・・・・参りました。
時代は違うといえども、こんなに貧乏をして苦労をして生きるって
それだけでも物凄い。
Minの半生を振り返ってみても、「明日のご飯に困る」事なんて一度もなかった。
自伝を書こうとしたって、10ページくらいで終わってしまいそうな気がする。

志ん生さんの人生は、そのものが落語みたい。
長屋に住んで、壁をナメクジが這う・・・・。その数と姿が戦争中の
艦隊のようだったからと付けられたタイトルがこの「なめくじ艦隊」です。
紹介されている志ん生さんの苦労時代の話は有名な話ですが、
ご本人の記述を読むと、あまりのリアルさに唖然呆然!
ただ、そこは噺家さん。
お腹を抱えて笑える綴り方で、読む者に悲惨な気持ちを与えません。

不良の道をひた走り、丁稚にいっても最長1週間しかもたない少年時代。
10代半ばで覚えた酒はその後の長い深いお付き合いとなったようで
関東大震災の際にも飲んだくれる。
女房には迷惑の掛けっぱなし。
だけど、どこか心や時代の温かさ、鷹揚さを感じでポッと気持ちに小さい
火が灯る1冊です。

紆余曲折あったにせよ落語を極めた志ん生さん。
「ちゃらんぽらん加減」と「不屈の努力」が相まって、物凄くチャーミングな
方だったんだろうなと感じました。
この本を読んでから落語を聴くと、さらにその面白さが増すと思います。
かなり古い本ですが、是非お試しあれ♪


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感
前の10件 | - Books 作家別_か行 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。