『白夜行』 by 東野圭吾 [Books 作家別_は行]
色々な所に沢山レビューが掲載されているので、今更Minの感想など
あまり役立つとも思えませんが・・・・
自分なりの考えを別の視点から書いてみたいと思います。
この『白夜行』の主人公・雪穂って、個人的にですが
宮本輝さんの『避暑地の猫』に出てくる主人公の姉・美保と存在感がダブります。
この2冊のストーリーは、設定から全く違うのですが、何と言ったらいいのか
2人の持つ「悪」に共通点を感じました。
雪穂と美保。
どちらも姿が美しく、男性を妖しく魅了するタイプ。
物静かで美貌故に浮世離れしたイメージを受けます。
でも、実際は浮世離れどころか、心に澱のように沈んでいる「悪」や「欲望」をジットリと
放出していて、それは「人間の業」そのものにも見えてきます。
逆に2人の違いは雪穂の「悪」がある種の意思の上に成り立つのに反して
美保のそれは潜在的な物に起因しているという事だと思います。
どちらも基本的には「過酷な状況の下を生き抜くため」という大前提の上で
「悪」の道を歩んでいくのですが、自分に好意を抱く異性を妖しく引き込み利用する事に
全く躊躇が感じられないところが恐ろしい。
2人の悪の根源を覗き込もうとする時、Minは冷たい底なし沼に少しずつ
はまり込んでしまうような、ゾッとする感覚を覚えます。
雪穂にも美保にも、不幸な行く末が待ち受けているような気がしてなりません。
『避暑地の~』でこの気持ちを的確に表現している部分を引用したいと思います。
それは、もう生涯会うことのない姉に対して主人公がお話の最後に思う言葉です。
「(姉は)どこかで毅然と、不幸な人生を歩んでいるにちがいない。」
『毅然と不幸な人生を歩む』
これこそが、美保だけでなく、Minが雪穂の将来に対しても感じる事です。
不幸な境遇から脱出しても、作為的に罪を犯してまで手に入れたものが「幸せ」かどうか?
その辺に『避暑地の~』もこの『白夜行』も興味深いものを覚えました。
・・・・感想としてはトンチンカンかも。
でも今日はあえて、『白夜行』を違う側面から見てみました。
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